成長の理由
1理研計器は何の会社?
「光波干渉式ガス検定器の商品化から産業用ガス検知警報機器メーカーへ」
1939年、理化学研究所で発明された「光波干渉式ガス検定器」を製品化・民生化するため、「理研計器株式会社」は創業しました。
石炭がエネルギーの主流だった1920年代より炭鉱やオイルタンカーにおける爆発事故が頻発していました。我々の技術は炭鉱の労働災害、タンカーの爆発防止に寄与するためのガス検定器からスタートしています。
現在では、産業用ガス検知警報機器メーカーとして連結売上高455億円まで成長し、様々な現場で「労働者の安全」を守り続けています。
- 1939年
創業 - 産業用ガス
検知警報機器
メーカー - 売上高
455億円
まで成長
2理研計器の強みは?
「半導体業界の市場(日本)シェア約70%」
1980年代、日本の半導体産業黎明期。
半導体製造プロセス中に人体に非常に有害な有毒ガスが発生することから、半導体材料ガスが検知できるシステムや検知警報器が必要とされました。
当社は低濃度ガス検知のニーズに対応したガスセンサーを他社に先駆けていち早く開発。さらに、ガス検知警報器だけでなく、サンプリング装置、タッチパネルなどを組み込んだ計装盤を大手半導体工場へ納入することができました。計装盤の納入により多数のガス検知器のデータが集中管理されており、他社製品単体での参入が難しくなるような、高付加価値な製品となっています。
当社の売上の40%以上は半導体業界向けとなっており、国内半導体工場向けガス検知器のシェアは約70%と高い水準でトップシェアを維持しています。
自社開発のガスセンシング技術
当社はガスセンシング技術のほとんどを自社開発していることが強み。ガスセンサ開発・製造拠点として、2015年に開発センター、2020年に生産センターが埼玉県春日部市に竣工されました。
メンテナンス段階で顧客からいただく要望を新製品の開発に生かすことで、半導体工場で多く使われる「定電位電解式」や、幅広い作業現場で使用される「接触燃焼式」、創業以来の「光波干渉式」を音速原理と組み合わせ発展させた「オプトソニック原理」など、顧客ニーズにマッチしたセンシング技術を常に開発し続けることを可能にしています。
また、干渉ガス除去フィルタも当社の重要なセンシング技術の一つ。ターゲットとしていないガスが雰囲気中に存在する場合にこれを検知してしまうと誤検知につながってしまいます。干渉ガス除去フィルタをセンサの前につけることで精度の高い検知を実現しています。
「景気に左右されにくい安定したメンテナンス事業」
ガス検知器は納入・設置して終わるものではありません。ガス検知器を使い続けると感度が落ちてくることから、製品購入後の定期的なメンテナンスが重要となります。
定期的なメンテナンスとして、ガス濃度が正確に測定できるか確認し、当初設定から乖離が発生している場合に行う校正作業、ガスセンサー交換、それ以外にも、ポンプ、流量センサ、干渉ガス除去フィルタなどの消耗品も一定周期で交換を実施します。国内各所のサービスステーション、海外子会社および海外販売店による国内外のメンテナンス体制を整備しています。
また、工場が稼働する限り安全管理が求められることから、景気に左右されることなく当社製品のメンテナンスが必要となり、一定の売上が安定的に見込まれることが当社の事業の特徴となります。
- 半導体業界の
市場(日本)シェア
約70% - 自社開発の
ガスセンシング
技術 - 景気に左右
されにくい安定した
メンテナンス
事業
理研計器の経営状況をご確認いただけます。
3理研計器が目指すもの
「海外市場でのシェア拡大」
理研計器は国内で培ったセンシング技術やメンテナンスサービスのノウハウを生かし、海外市場へ販売領域を拡大しています。
当社は2010年代から海外市場シェアを拡大する戦略として、海外市場に適合する規格に対応した製品開発や、完全子会社化に伴う海外子会社の体制整備、海外販売網の拡充を実施してきました。
アジア・北米を中心として海外売上に注力していった結果、2017年3月期には22.6%だった海外売上比率は、24年3月期には43.6%に到達しています。
中長期的には通信技術の進展、IoT・AIの普及やEV(電気自動車)等の市場拡大に伴う半導体工場向けガス検知の需要の拡大は継続することが見込まれ、引き続き海外比率拡大を目指します。
「メタネーション分野への期待」
中期的な注目分野の一つとして、メタネーション分野があります。
持続可能な社会の実現に向けてカーボンニュートラル・脱炭素化が製造業において大きく進むことが予想され、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)からCH4(メタン)を合成するメタネーション技術など、次世代エネルギー技術の開発と社会実装が目指されています。ガス検知器とガス熱量計の当社センシング技術をかけ合わせることで、光波干渉式を発展させたオプトソニック技術のさらに先の複合センシング技術を提案し、社会実装に貢献してまいります。
4数字で見る理研計器
- 創 業1939年
- 国内半導体
業界向け
市場シェア
約70% - 24年3月期
連結売上高455億円 - 24年3月期
海外売上高比率43.6% - 26年3月期中期
目標売上高500億円以上